転入生。。。

それは、不思議な存在だった。

だが、転入生と「大親友」になるなんて

世界中が予想していなかった。

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出逢い2

 

一息つき、机の横にカバンをかけた。

やはり、正平と転入生の隣は居づらい。

正平は、女子とばっかり話しているし。。。

それに、転入生は誰とも話さず

ずっとノートに何かを書いている。

周りもグループなり作って

不審そうに転入生の方を見ている。

 

「なぁ。あいつ。。。転入生のくせに。何やってるんだぁ?

  初日から、優等生ぶったりしてるのかよ。」

 

さすがに不思議な転入生には、近寄りがたく

男子達には気に食わない態度にキレていた。

 

普通なら、クラスでもリーダー格の明るい女子が話しかけて...

仲良くなる。それが普通だ。

でも、アイツは違う。

何だ...この冷静さは。

見ていると気持ち悪い。

何を考えているかわからないヤツだ。

気がつくと、興味本位でソイツの方ばかり見ていた。

 

時折、心臓の鼓動がバクバクいっている。

そんな自分がおかしいと想ったが

「入学して間もないからだろう。。。そして男の近くだからだろう。。。」

と、想い、

あまり不審には想わなかった。

 

やがて

心臓の鼓動が速くなり、落ち着かなくなった。

 

「やばっ。何してるんだよ。

  ただの転入生じゃねぇか。そんなヤツ相手に何心臓バクバクいってんだ?」

 

ようやく我にかえったときには

転入生の方をまじまじと見つめていた。

 

「やべぇ。なんかしないと。誤魔化さないと。。。」

 

そう想い、机の中のノートを取り出し、何か文字を書いているそぶりをした。

 

「だめだ。何も集中できない。何でだ?何なんだよ。コイツは。

  マジ、ムカツクんだけど。」

 

どうしても転入生の方ばかり見てしまう。

落ち着いていられなくなった自分は、

窓際に居る。ひとつのグループの元へ 行った。

 

「どうしよーーーーーー。」

「んあ?空、キョドってるね。」

「うち。。。転入生を見たら落ち着けない。。。」

 

そう告げると

 

「えぇーーーーーーーーーーーーーーーー。

  それって恋だよ。

  空も恋かー。ってかしかも、女っ!!!

  やっぱ、変人だと想ってたけど、変人だったんだね〜〜〜」

 

周りから一斉に批判を浴びた。

 

聞いた自分がバカだった。。。

そう想い、

また席に戻った。

 

やはり、心臓の高鳴りは止まらなかった。

いや、もっと酷くなっている気がする。

 

「何でだよっ!!!どうしてだよ!!!

  恋なのか?いや。女同士で好きになるなんてありえねぇ。

  バカか。ったく。。。

  何だよっ。ホントに。ふざけるな。」

 

どうしても心臓の高鳴りは抑えられない

そして

 

「ちくしょう!!!」

 

思わず、机を蹴り飛ばしてしまった。

その音は教室中に広まった。

皆は一斉にこっちを向いた。

アイツと目が合ってしまった。

 

「あっ。。。ごめん。悪い。。。悪い。。。」

 

皆に怒られると想ったが

今回は、大丈夫だった。

                          

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