君と初めて喋った。

たった一言、

「おはよう」って。

だけど、僕にはトラウマがある。

だから、冷たくしてしまった。

------------------------

出逢い3

 

「うち、佐藤遥ね。ヨロね。」

 

急に、アイツは明るくなって

話し始めた。

どうやら「佐藤遥」という。

話によると、S市から転校してきたそうだ。

 

ダメだ。そんなに知っちゃ。

気安く話してくれるのは、嬉しい。

だけど、

 

ここは嫌ってもらわなきゃ、困る。

 

そう想い、

 

「は?お前、何、人に話しかけてるんだよ。

  お前みたいな野郎は逝って良し。さっさと、失せろ。」

 

想ったよりも強く言ってしまった。

少し罪悪感を感じた。

 

その時だった。

 

「他人に「しね」言われる筋合いはないだよ。」

 

そんな声が聞こえた。

 

「はっ???」

 

思わず息を呑んだ。

優等生っぽく見えるが

そこそこ口は悪い。

 

「ごめん・・・。聞こえた?ごめん。」

 

そうこう考えているうちにアイツが突然謝ってきた。

自分が考えていたアイツとは、180度違った。

 

「あんさ、そんな言葉並べて、

  近づいてくるのは、一番嫌いだから。」

 

相変わらず、冷たい態度をとってしまった。

でも、信じられない他人に言えただけで

まともな方だと想う。

 

さぁてと。どうせ死ぬんだから。

自分でも、褒めてやるか。

 

そう想った。

 

                           NEXT